学部学科 | 仏教学専攻 | ||
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科目種別 | 専門教育科目 | ||
科目名 | 大乗仏典概論Ⅰ | ||
担当教員 | 五十嵐 隆幸 | ||
単位 | 2 | ||
開講時期 | 春学期 | ||
成績評価の基準 | 期末試験 80%。平常点 20%。 | ||
教科書 | 『エリア-デ仏教事典』(法蔵館)にある「大乗仏教(中村元)」を中心とする。 資料コピーを配布する。 | ||
参考文献 | 『大乗経典解説事典』(北辰堂) 『仏典をよむ』(新潮社) 参考文献については必要に応じて講義中に紹介する。 | ||
授業方法 |
授業概要 | 仏教は釈尊の滅後、原始仏教(根本仏教)から分離分派の部派仏教となった。これは出家者中心の仏教であった。このような仏教に対し疑問を懐いた一般在家者(遊行者)の中から新たな仏教として生み出されたのが「大乗仏教」である。大乗仏教では釈尊一仏ではなく、新たに諸仏・諸菩薩が生まれ、様々な経典が生まれてきた。これが「大乗仏典」である。大乗仏典は中央アジアから中国において漢訳化される。これが中国から、あるいは朝鮮半島を経て日本に伝わった。日本仏教の中心は大乗仏教でありそこで読まれるのは大乗仏典である。この講義では、この大乗仏典の成立や形式、そして代表的な大乗仏典の教義・思想、さらに東アジア仏教、特に日本への受容と展開を概観していく。 |
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授業計画01 | 授業計画 |
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1 | ガイダンス | ||
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2 | 大乗仏典の意義 原始仏教から部派仏教、そして大乗仏教へ。 |
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3 | 大乗仏典の形成と展開 初期大乗仏典・中期大乗仏典・後期大乗仏典。 |
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4 | 大乗仏典の成立過程 仏典の漢訳ー古訳・旧訳・新訳ー。 |
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5 | 大乗仏典の受容 漢訳仏典の受容、教相判釈について。 |
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6 | 大乗仏典の特徴 諸仏諸菩薩・修道・在家仏教。 |
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7 | 主要な大乗仏典 | ||
8 | 般若経関係 般若経典は大乗仏典の中でも最初期に出現。『般若心経』や『大般若経』をはじめ、般若経典類について。 |
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9 | 般若経関係 般若経典が説く般若波羅蜜(智慧の完成)、空の思想について。 |
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10 | 三昧経典と輪廻経典 |
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11 | 法華経関係 『法華経』は大乗仏典を代表する経典である。現存する漢訳経典について。 この経典が説く「仏とその法を信じるものは成仏する」という基本思想について。 |
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12 | 法華経関係 『法華経』は声聞乗、縁覚乗、菩薩乗の三乗は方便であり、仏乗(一乗)が真実とする。これが東アジアに莫大な影響を及ぼしたことについて。 |
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13 | 法華経関係 法華開会思想と観門開会。『法華経』に関連するその他の経典について。 |
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14 | 華厳経関係 『華厳経』は諸本を集成されたもので、六十巻本、八十巻本について。 多くの仏教文化に影響を及ぼしている点について。 |
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15 | 華厳経関係 『華厳経』の主要となる「入法界品」と「十地品」とにおける大乗仏教の基本思想について。 |
注意事項等 |
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