学部学科 | 仏教学専攻 | ||
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科目種別 | 専門教育科目 | ||
科目名 | 東アジアの経済 | ||
担当教員 | 藤田 和孝 | ||
単位 | 2 | ||
開講時期 | 秋学期 | ||
成績評価の基準 | 期末試験80%,平常点20%。 授業中の積極的な発言も評価する。 | ||
教科書 | 八代尚宏『反グローバリズムの克服』新潮選書,2014 | ||
参考文献 | 伊藤亜聖『デジタル化する新興国』中公新書,2020 後藤健太『アジア経済とは何か』中公新書,2019 小平龍四郎『アジア資本主義』日本経済新聞出版,2020 | ||
授業方法 |
授業概要 | アジア諸国は,経済的側面においても日本と密接な関わりを持っています。この講義では,まずアジア諸国の経済発展の歴史を概観したうえで,WTOによる国際的な貿易の枠組みとアジア経済の位置づけを学びます。アジアの経済発展は,輸出主導で経済発展したと言われています。近年は,さまざまな自由貿易協定(FTA)が注目されていますが,これらはWTOの枠組みの中での協定にすぎません。 さらに本講義では,WTOの仕組みを理解したうえで,製造業や流通業の視点からもアジア経済を見ていきます。 最新の動きについては,新聞記事を活用し,黒板に整理しながら一緒に読んでいきます。東アジアといえば,日本,中国,台湾,韓国ですが,フィリピンなどの東南アジアにも触れます。 |
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授業計画01 | 授業計画 |
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1 | アジアの歴史と政治経済 日本との関わりと,現在の国家が誕生した経緯について整理する。 |
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2 | シンガポール,マレーシア ASEANのフロントランナーであるシンガポール,2番手を走る中規模国家マレーシアなど,政府系企業が活躍する経済のしくみを学ぶ。 |
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3 | カンボジア,ラオス タイプラスワンの有力候補カンボジアなど,後発組の開発経済を考える。 経済成長と格差、グローバル化、高齢化等による格差の拡大、貧困問題などを扱う。 政府系投資ファンド,アジア金融危機など,金融面からアジア経済を概観する。 |
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4 | フィリピン 豊富な人材を武器に成長するフィリピン,フィリピンの歴史と日本との関わりについても見ていく。 |
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5 | ベトナム 後発組のトップランナー,TPP唯一の社会主義国であるベトナムの経済政策(規制緩和)をみていく。 |
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6 | アジアの流通 百貨店,コンビニからネット通販まで,アジアで活躍している日系流通業の活動状況を見ていく。 |
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7 | タイ,インドネシア,ベトナム 自動車産業とはじめとするアジアのサプライチェーンの中心地を見ていく。 |
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8 | アジアの企業家①-島耕作のアジア経済- 映像を見て,アジアの企業家の視点を理解する。 |
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9 | アジアの財閥,ファミリービジネスの強みとガバナンス改革について考える。 | ||
10 | プロジェクト・ファイナンス アジア諸国への技術移転,インフラ整備の方法の1つとしてプロジェクト・ファイナンスをみていく。 |
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11 | 中国製造2025,米中貿易戦争 |
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12 | 中国とミャンマー |
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13 | アジアの企業家②-島耕作のアジア経済- 映像を見て,アジアの企業家の視点を理解する。 |
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14 | 台頭するフロンティア市場,世界経済におけるアジアの位置づけについて 中所得国の罠,キャッチアップからイノベーション,研究開発への転換について考える。中国による「アジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank)」や「一帯一路」が影響力を増すなか,世界経済におけるアジアの位置づけを考える。 |
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15 | アジアの自由貿易協定 WTOの役割,限界,そして広域自由貿易圏の可能性について考える。 |
注意事項等 | アジア諸国の経済発展は,貿易抜きには語れません。国際経済の講義と並行して受講することを薦める。 講義の後は時間に余裕があるので,捕まえてほしい。E-mailで講義の感想や質問も受けます。 |
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