学部学科 | 仏教学専攻 | ||
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科目種別 | 基礎教育科目 | ||
科目名 | 現代社会と仏教 | ||
担当教員 | 野田 隆生 | ||
単位 | 2 | ||
開講時期 | 春学期・集中 | ||
成績評価の基準 | 授業への参加度・・・聞く姿勢、メモの取り方、プレゼンテーション、グループワークへの取り組み等 40% 授業内課題・・・小レポートやリアクションペーパー 20% 定期試験・・・レポート課題を予定している。 40% | ||
教科書 | テキストは使用しない。 適宜プリントを配布するので、各自でファイルを準備することを求める。 | ||
参考文献 | ①田宮仁『「ビハーラ」の提唱と展開』学文社 2007,3 ②藤腹明子『仏教と看護 傍らに立つ』三輪書店 2000,7 ③藤原壽則他著『今なぜ仏教医学か』思文閣出版 2004,6 ④大村英昭『臨床仏教学のすすめ』世界思想社 2003,9 ⑤長谷川匡俊『支え合う社会に 宗教と福祉と教育と』高陵社書店 2011,10 | ||
授業方法 |
授業概要 | 【授業の概要とねらい】仏教が現代を生きる人に役に立つことがあるのでしょうか。仏教にとって、葬祭仏事は大切な儀式ではありますが、もっと違った存在意義を見出すことができないのでしょうか。本講では、現代社会において生きることや死ぬことについて悩み、疲弊している人々がいることに着目し、仏教がそれらの諸課題に応えることができるのかを考究するものである。すでに、哲学、医学、心理学など多様な学問領域からのアプローチはなされているが、仏教への眼差しがそれらの領域から求められている。なぜ、今、仏教なのかを日本仏教の歴史を辿りながら、史実から明らかにし、そこから学び取った支援技術を現代の社会問題に応用できるのか、学生のみなさんと共にディスカッションを通じて明らかにしていくことを目的とします。【到達目標】1)実践としての仏教を身につけることができる。2)社会問題と向き合い、寄り添うことの意義を説明することができる。3)仏事の大切さを伝えることができる。 |
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授業計画01 | 授業計画 |
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1 | はじめに~本講のねらいについて~ →講義の概要について説明し、受講生の意思確認を行う。 |
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2 | 現代社会の抱える諸課題 →誕生と死に関する統計資料を用いて明らかにする。 |
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3 | 歴史に学ぶ救済①~聖徳太子・行基~ →国家鎮護のためではなく衆生救済のための仏教に着目する。 |
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4 | 歴史に学ぶ救済②~源信・和気広虫~ →『往生要集』にみる地獄と極楽、孤児の救済について学ぶ。 |
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5 | 歴史に学ぶ救済③~法然・叡尊・忍性~ →万民平等救済、救癩事業について学ぶ。 |
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6 | 仏教用語の整理 →ケアや支援を意識した解釈を行う。 |
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7 | 時事問題を考える①~医療と宗教~ →コラムを読み、解釈し、意見交換を行う。その後、ドキュメントを視聴する。 |
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8 | 時事問題を考える②~福祉施設と高齢者の理解~ →コラムを読み、解釈し、意見交換を行う。その後、ドキュメントを視聴する。 |
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9 | 時事問題を考える③~脳死・臓器移植~ →「死の選択」という問題について仏教的生命観と照らしながら考えていく。 |
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10 | ターミナル・ケアの現状と課題 →「ホスピス」「ビハーラ」「PCU」の概念を整理し、課題を抽出する。 |
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11 | 仏教とターミナル・ケア①~臨終行儀の系譜をたどる~ →中国浄土教からの流れについて史資料に基づきながら読み進めていく。 |
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12 | 仏教とターミナル・ケア②~良忠『看病用心抄』を読む~ →浄土宗三祖が記した同書を一部読みながら理解を深めていく。 |
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13 | 仏教とターミナル・ケア③~江戸期の臨終行儀書と往生伝~ →江戸期の両書の意義について史資料を読みながら理解を深めていく。 |
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14 | 理想の仏教ホスピスとは? →受講生が考える理想の看取りやその場についてイメージをして、パンフレットを作成する。 |
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15 | まとめにかえて →ざっくばらんにディスカッションを行う。 |
注意事項等 | 常日頃から時事問題に関心を持つことが、本講の内容を醸成させることにつながってきます。参考文献のみならず、意欲的に、かつ、手当たり次第に書籍を貪り読むことが理解の近道になるかもしれません。とくに、過去のことを学ぶ際には、その事象を歴史的事実として捉えることのできる鷹揚さが求められます。「これから」を意識して受講してください。 |
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